デイケアプログラムのFAQを掲載しています。

監修:梅花女子大学食文化学部管理栄養学科 教授
井戸 由美子 先生

Q1.

患者さんがプログラムへ途中から参加する場合、どこから始めればよいですか?

A1.

集団プログラムでオープンの場合(例えば、プログラムA形式)は途中からの参加でも大丈夫です。思い立った時が一番大事なので、気を削がないようにすることが重要です。
クローズの場合(例えば、プログラムC形式)は、個々人の目標を設定している場合が多いので、プログラムの区切りの良いところからの参加となりますが、それまでは、オープンのプログラムに参加していただいたり、個別での対応が必要です。

参加したいということは、プロチャスカの行動変容ステージモデル
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html
で、準備期になるので、ここでサポートしてあげることが重要です。

Q2.

栄養士以外でも指導は可能ですか?

A2.

可能です。
専門的なことは栄養士に支援を頂くことで、プログラムの実施は他職種でも大丈夫です。
チームカンファレンスなどの連携は必要かと思います。

Q3.

このプログラムは、統合失調症以外の精神疾患の患者さんにも活用できますか?

A3.

可能です。
(監修者は、アルコール依存症や非定型精神病の患者さんへの使用実績があります)

Q4.

外食中心な患者さん、偏食が強い患者さんの場合、
どのようにしてプログラムを導入すればよいですか?

A4.

外食・偏食の方も、まずメタボリスクを回避するための栄養に関する知識を身につけることが重要です。
そうすれば、食品や料理の選択を考慮されるようになり、1日の栄養量の過不足を補うテクニックが身につきます。

Q5.

プログラムへのアドヒアランスは、どのように維持すればよいですか?

A5.

仲間と一緒にプログラム参加を行ったり、成果を上げることなどで、モチベーションは維持されると思います。
体重増加のリバウンドがあったり、精神症状の調子が悪くなった時には、医療スタッフによるサポートが必要です。

Q6.

自動カロリー計算あるいは食品カロリー表が
使いこなせない場合、どうすればよいですか?

A6.

自分のよく食べるものをメモとして書きとめたものや面接による聞き取りでの情報を一緒に自動カロリー計算に入力し、一緒に判定を確かめ、どうすればメタボリスクを改善できるかを一緒に考えます。
グループ学習であれば、ひとりで行える患者さんが手助けしてくれるよう、環境調整を行います。

Q7.

カロリーを考慮して、食品の置き換えが上手くできない場合、どうすればよいですか?

A7.

検討を行う手順などについては、スタッフや栄養士のサポートが必要と思います。
実際の生活において、食品の置き換えを促すことについては、ご本人の生活習慣との折り合いをつける方法の検討が必要となります。

Q8.

効果が実感できないのですが、どうすればよいでしょうか?

A8.

栄養学は算数に喩えることができるので、成果が出ない時は何らかの理由があるはずです。
例えば、牛乳をお水代わりに飲んでいるけど、その問題に気付いていないとか、どこかに「落とし穴(原因)」があるので、ゆっくり食生活内容を振り返り、課題を正確に理解して、解決していきましょう。

Q9.

効果はどのぐらいから出始めますか?

A9.

早い方は1~2週間で成果が出ますが、2~3か月すると停滞期(頑張っているのに痩せない・・・といった)がやってきます。
その時に手をゆるめると、一気にリバウンドして体重が増え、モチベーションが下がります。スタッフは、この時こそサポートが必要といえます。
そうすれば、また2~3か月後には体重が減少していきます。1年もすれば、カロリー調整は習慣になっていきます。

Q10.

入院・外来どちらの患者さんでも参加できますか?

A10.

参加可能です。

Q11.

血糖値が高くなってきて、それでもジュースなどをやめられない患者さんは
どうしたらよいでしょうか?

A11.

まずダイエットコーラや砂糖の少ないコーヒー、野菜ジュース・トマトジュースなどに変更して、少しずつ砂糖の摂取量を減らしていきましょう。
もちろんペットボトル症候群の説明も重要です。

Q12.

一人暮らしで野菜など全く食べない患者さんはどうしたらよいでしょうか?

A12.

食べられる(嫌いではない)野菜の簡単な調理法(レンジでの温めや具だくさんスープの作り方など)を学ぶことや、トマト・きゅうり・キャベツなどそのまま食べられる野菜の摂取を勧めます。
保管に困る場合は、パック野菜、野菜ジュース・トマトジュースなどの利用もよいでしょう。

Q13.

ご家族にも問題のある場合はどうしたらよいでしょうか?

A13.

家族さん含めての栄養指導が必要となります。
家庭や経済的な問題が影響する場合は、医師や精神科ソーシャルワーカーなどと連携をとることが重要です。
ご本人の健康を守るためには、自身で食材やメニューを選ぶことのできるスキルを身につけることも重要です。

Q14.

デイケアプログラムに「クッキー作り」などの
料理教室がある場合はどうしたらよいでしょうか?

A14.

おやつのカロリーを知り、標準体重に近づけるために、どうしたら適切なカロリー摂取になるかを考えていただきます。
おやつを食べる分、昼食の主食を減らす、夕食のご飯を減らす、ジュースや間食を減らすなど、適切なカロリー量に収まるように自身で決め管理することが重要です。

Q15.

生活保護でお金を食費に回せる余裕がないため、インスタントラーメンなど
低価格・低栄養の食生活中心の患者さんはどうしたらよいでしょうか?

A15.

精神科ソーシャルワーカーなどのスタッフと連携し、無駄遣いのものを減らす努力をします。
少ないお金で健康的に食べられるものを一緒に考えます。(例:インスタントラーメンにもやしと卵を入れて、汁を捨てるなど)

Q16.

行動目標はどういった内容を設定したらよいでしょうか?

A16.

高い目標にするのではなく、ハードルを低くして、少しずつのステップで進むことと自身で決められるよう支援を行います。

Q17.

ダイエットの目標体重は何キロくらいを目標にしたらいいでしょうか?

A17.

まずは、2~3kgくらいが適切だと思います。
ただ、3か月くらいで停滞期がきますので、その時の支援が重要です。(質問9も参照ください)

Q18.

料理教室と一緒にプログラムできますでしょうか?

A18.

「一人暮らしの料理教室」や「野菜たっぷり料理」、「買い置きできる野菜を使っての料理」、「300円まででできるおかず」「レンジで温めるだけの簡単な料理」など楽しく身につく料理プログラムと並行して、デイケアでの栄養プログラムを行うと効果的です。

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2018年5月作成
AB1803064

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