抗精神病薬とインスリン抵抗性について

抗精神病薬とインスリン抵抗性に関してはこれまでに多くの論文が報告されています。
古郡らは、第二世代のいくつかの抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者群と健常者群に経口糖負荷試験を行い、血糖ブドウ糖値、血清インスリン値などの検討をしました。その結果、第二世代抗精神病薬群では健常者群と比べて、血糖ブドウ糖値、血清インスリン値が有意に上昇していました。
また、須貝らは、抗精神病薬(オランザピン、リスペリドン、クエチアピン)で加療中の統合失調症患者のメタボリックな指標に対して、健常人との比較を行いました。
抗精神病薬加療群のレプチンレベル、空腹時インスリン値は、健常人より有意に高いという結果であり、これにより抗精神病薬の服用によって耐糖能障害が生じる可能性が示唆されました。(Sugai,T.etal.:J.Clin.Psychopharmacol.,32(3),390-393,2012)

抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者における糖負荷試験後0~120分の血糖値と血中インスリン値の変化

空腹時血糖が正常な場合でも、インスリン分泌能が低下、インスリン抵抗性を惹起している場合があるので、注意が必要です。

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